NTTドコモは21日,インターネット接続事業者(プロバイダ)向けに「iモード」用パケット網との相互接続を開始した。プロバイダは,NTTドコモが東京都内に用意した相互接続点(1カ所)と高速ディジタル専用線で接続。一部の旧機種を除きすべてのiモード対応端末に対して,iモードと同等の独自サービスを提供できるようになる。

 今回のiモード開放により,NTTドコモはプロバイダに(1)iモード端末の発信者番号と位置情報の通知,(2)Webアクセス,(3)メールの送受信--の三つの機能を提供する。

 (1)は,プロバイダがブラウザフォン・サービスを提供するために必要なユーザー情報を提供するもの。(2)は,ユーザーがiモードのポータル・サイトを利用するためのメニュー「iMenu」を選んだ際に,プロバイダが用意したポータルを最初に表示させる機能。合わせて,インターネット上の一般サイトへの接続機能も提供する。

 (3)のメール送受信機能は,iモード端末からプロバイダのメール・サーバーに接続して直接メールを送受信できるようにする機能。iモード・メールのアドレスに,「@docomo.ne.jp」ではなく「@xxx.ne.jp」といった他プロバイダの文字列を使えるようになる。iモード・メールと同様に,センターに届いたメールを端末へ自動送信するプッシュ型配信と,端末からセンターへの問い合わせ操作によりメールを受信するプル型配信の両方に対応する。

 ユーザーは月額300円のiモード契約をしなくても,これらの機能を使える。その場合,PDC(personal digital cellular)携帯電話機でパケット通信を利用するための「デュアルサービス・ライトプラン」を契約する必要がある。

 今回の措置は,NTTドコモが2002年1月25日に発表したiモード開放策で打ち出していたもの。総務省が2001年に打ち出したブラウザフォン・サービスのオープン化指針に応えたものである。ただし当初の接続先はPDC携帯電話のパケット網に限られる。第3世代携帯電話サービス「FOMA」との相互接続については2003年春をめどに実施する予定だ。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)