NECと松下電器産業は11月20日,NTTコミュニケーションズ(NTTコム),ニフティ,ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)の3社が12月以降に開始するIP電話サービスの共同実験に参加すると発表した。

 NECと松下電器は,インターネット接続事業者(プロバイダ)などの連合体である「メガコンソーシアム」の幹事会社。同じく幹事会社を務めるKDDI,日本テレコムと,各社が提供予定のIP電話サービスを相互接続することで合意している。NECと松下電器はNTTコムらの実験にも参加することで,相互通話が可能なユーザー数を増やし,サービスの利便性を高める狙いである。

 一方,KDDI,日本テレコムはNTTコム側の実験への参加を見送った。NTTコムの実験は,IP電話の番号管理用サーバーなどをNTTコムが運用し,他のプロバイダにIP電話サービスを「卸売り」する形態。自社で番号管理用サーバーを運用するサービスを提供する計画を持つ両社にとって,参加メリットが少ないことが原因と見られる。

 なお,NTTコムは同じ11月20日,IP電話の共同実験で展開する試験サービス「OCNドットフォン」を12月20日に開始すると発表した。当初はOCNドットフォンのユーザー同士の発着信と,加入電話網への発信だけ。他の実験参加プロバイダのユーザーとの通話は2003年1月以降に開始する予定。