米アギア・システムズは米ラスベガスで開催中の展示会「COMDEX Fall 200」において,伝送速度162Mビット/秒を実現する5GHz帯無線LANのチップセットを開発したと発表した。162Mビット/秒という速度は5GHz帯の電波を使う無線LANとして世界初。アギアはホームLANや企業のLANなどでの利用を想定している。

 アギアが開発した無線技術は,既存の5GHz帯無線LANの標準仕様IEEE802.11aをベースに,MIMO(多重入力,多重出力)という多重方式を組み合わせて162Mビット/秒を実現する。MIMOは,最近研究が盛んになっている技術で,複数のアンテナ素子を組み合わせて送受信に使うことによる「空間分割多重」方式の一つである。アギアは,アンテナ素子が一つであれば54Mビット/秒,三つ使うことで162Mビット/秒を実現するとしている。

 同社は,主な用途として企業のデスクトップ型パソコンのLAN接続や,インターネット接続,テレビやビデオをつなぐホームLANなどを想定しているが,製品化は「さらに改良を加えるため」(アギア),2004年後半になるという。