データ・センター事業やWeb開発などを手がけるオン・ザ・エッヂは年内にもIP電話サービスを開始する。自社でMPLS(multiprotocol label switching)ベースのIP閉域網を構築し,NTT加入電話網と接続することで,中継型および直加入型のIP電話サービスを提供する。実際のサービス提供は,100%子会社でFTTH(fiber to the home)サービスを提供するビットキャットで行う可能性もある。ビットキャットではすでに音声役務を総務省に届出済み。「050」の番号も申請中だ。

 オン・ザ・エッヂは10月31日に無料インターネット接続事業者(プロバイダ)ライブドアの営業を全面的に譲り受けた。ライブドアのブロードバンド・ユーザーに加え,ビットキャットのFTTHユーザーにIP電話サービスを提供する。

 最近,NECをはじめとするプロバイダ合従連衡「メガコンソーシアム」やNTTコミュニケーションズ,ニフティ,ソニーコミュニケーションネットワークの3社のIP電話サービスの提携発表が相次いでいる。これに対しては「どこかに加わるか,または単独で進めるかは未定。プロバイダというよりは,フュージョン・コミュニケーションズや平成電電のような通信事業者として頑張りたい」(オン・ザ・エッヂの山崎徳之取締役上級副社長)という。

 そのため,オン・ザ・エッヂの構築するIP閉域網は,IP電話サービスだけでなく,ビットキャットのデータ通信用バックボーンとしても利用する。また,ライブドアのダイヤルアップ・ユーザーへのアクセス・ポイント提供にも使いたい考えだ。サービスは150万人のライブドア・ユーザーの情報を基に,東名阪を中心にユーザーの多い地域から開始する。

(山根 小雪=日経コミュニケーション)