ソフトバンク・グループは11月15日,2002年度の中間決算を発表した。ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB」の設備投資がかさみ,営業利益は311億9900万円の赤字,経常利益は459億5600万円の赤字となった。

 ソフトバンクの孫正義社長は,「赤字のほぼ全てが,ブロードバンド事業のための先行投資。来年度には,単月黒字を実現できる。他の事業は今回黒字に転換した」と強調。さらに,Yahoo! BBのユーザー数は「家電量販店など経由での加入が7~9月に増えており,あと数カ月で損益分岐点の200万加入に確実に到達する」と自信を見せた。

 さらにソフトバンクは,2003年1月7日にビー・ビー・テクノロジーと子会社3社を合併させることを発表した。合併するのは,BBテクノロジー,ソフトバンク・ネットワークス,ソフトバンク・コマース,ソフトバンク・イーシーホールディングス。「今後,力を入れる法人向けの営業やサポートなどの経験を一本化してシナジー効果を出す。BBテクノロジーは売上高3000億円のグループ中核会社になる」(孫社長)。ソフトバンク・ネットワークスの子会社には,企業向けに光ファイバを使うインターネット接続サービスを提供するアイ・ピー・レボルーションなどがある。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)