シスコシステムズは11月14日,大規模SAN(storage area network)用スイッチ「Cisco MDS 9000」ファミリーの発売を発表した。2003年第1四半期から出荷する。シスコは,小規模SAN用スイッチとして,「SN5420」シリーズを日本国内で3月に出荷を開始。新製品の投入で,小規模用から大規模用まで製品を揃える。

 MDS9000の最大の特徴は,物理的に一つのSANを論理的に複数のSANのように見せる「バーチャルSAN」を実現できること。バーチャルSANを使えば,セキュリティを保ちながら,複数ユーザーでSANを共有できる。データ・センターで顧客ごとに論理的なSANを分けるといった使い方を想定している。

 今回発表したMDS9000はシャーシ型。実装できるモジュールの数により4機種用意する。用意するインタフェースは,ファイバ・チャネル,iSCSI,FCIP(fibre channel over IP)。最上位機種で1台当たり256ポートを収容できる。

 Cisco MDSの価格は未定だが,「他社製品とほぼ同程度の価格帯で販売し,機能で差異化を図る」(シスコシステムズの吉野孝行取締役)考え。既にシスコはIP対応SANの開発・販売で日本IBM,ネットワンシステムズなどと提携。他社の提案・販売力も借りて,拡販を図る。