BBテクノロジーの孫正義社長は11月13日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB」の事業が,損益分岐点である200万ユーザーに「あと数カ月で達する」との見通しを示した。同社が開催した事業戦略説明会で明らかにした。BBテクノロジーが正式にADSL事業の黒字化の見通しを示したのは初めて。

 孫社長によると,Yahoo! BB事業の1ユーザー当たりの売上高は,モデムのレンタル料やIP電話サービス「BBフォン」の通話料を含めて月額約4000円。一方の費用は,IP電話サービスの接続料の支払いなどの変動費が売上高の約50%を占め,ダーク・ファイバの使用料などの固定費が月額約40億円かかっているという。つまり,ユーザー数が200万を獲得すれば損益分岐点に達する計算になる。ただし,費用には1ユーザー当たり約2万円かかっている販売促進費は含まれていない。

 また孫社長は,最新のユーザー加入状況も明らかにした。11月に入ってから,1日当たり約1万の加入申し込みを受け付けているという。BBテクノロジーが過去最高のユーザーを獲得した10月は月間で約19万7000人の増加だったが,11月はそれを上回りそう。この勢いを持続できれば,2003年早々にも200万ユーザーを突破することになる。