リバーストーン・ネットワークスは11月7日,通信事業者向けMPLS対応ルーター「RSシリーズ」に,障害時に50ミリ秒以下でう回路にトラフィックを転送する「Fast Reroute」機能の追加を発表した。この機能は,IETF(internet engineering task force)の「Fast Reroute」のドラフト案に準拠したもの。

 通常MPLSでは,各ルーターがOSPF(open shortest path first)で最短経路を検索し,ルーティング・テーブルを更新する。続いて,LDP(lavel distribution protocol)を利用してMPLSのパスであるLSP(lavel switch path)を張る。MPLS対応ルーターで構築されたネットワークでは,このパス内にデータを通す。

 だが,障害発生後にはOSPFで経路を新たに検索するため,「ネットワークの規模によっては,う回路への切り替えが数十分もかかる場合もあった」(リバーストーン・ネットワークスの古屋知弘セールス&マーケティング本部ディレクター)。

 Fast Reroute機能では,シグナリング・プロトコルのRSVP(resource reservation protocol)で,複数のう回経路を自動検出。OSPFが,RSVPで検出したう回経路の中で最短のものを障害時のう回経路として,あらかじめ記憶する。このため,障害が起こった場合でも50ミリ秒で切り替えできるという。

 「う回経路への切り替えではSONETが40ミリ秒で,他の方式と比べても最短と言われる。IPネットワークで50ミリ秒の切り替えはかなり速い」(古屋ディレクター)。Fast Reroute機能を利用すれば,通信事業者のバックボーン網の信頼性が高まる。現在,複数の通信事業者が実験的に利用を始めている。