米ソフトウエア開発会社の米ビーエル(旧ジートニー)はVoIP(voice over IP)ソフト「Gphoneシリーズ」を大幅に拡充する。まず11月に米マイクロソフトの「Pocket PC 2002」に対応した「Pocket Gphone 2.0」を発売。12月には米パームの「Palm5.0」に対応した「Palm Gphone 1.0」を追加する。さらに,これらのクライアント・ソフトを集中管理するためのサーバー・ソフトも用意する。このほか,Windowsパソコン向けに11月に,「Gphone 2.0」を提供する予定だ。

 ビーエルは現在,Pocket PC用とWindows用のIP電話ソフトをインターネット経由で無償提供しており,ダウンロード件数は合計20万件以上に達している。Gphone 2.0/Pocket Gphone 2.0/Palm Gphone 1.0からは有償とし,いずれも呼設定プロトコルの国際標準規格「SIP」(session initiation protocol)に対応させた。音声通話時の遅延時間をそれまでの200ミリ秒から50ミリ秒に短縮するなど機能を強化した。

 管理用サーバー・ソフトは,一般企業向けの「Gphone Lobby Server 1.0」を11月に,IP電話サービスを提供する通信事業者を対象とした「Gphone Service Engine 1.0」を2003年1月に,それぞれ発売する。クライアントからこれらのサーバーを介して,クライアントの状態通知やアドレス帳の管理,文字メッセージの送受信などが可能になる。さらにGphone Service Engine 1.0では,Gphoneシリーズを実装したPDAやパソコンからサーバー経由で固定電話への発信もできる。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)