10月14日から15日まで,米国ボストンで開催された次世代ネットワーク技術に関する国際会議「Next Generation Networks 2002」(NGN2002)で,7社の通信機器メーカーが,次世代通信技術「G-MPLS」(generalized MPLS)の相互接続試験を実施した。本格的なG-MPLSの相互接続試験としては今回が初になる。

 試験に参加したのは,米シスコ・システムズ,米シカモア・ネットワークス,米ジュニパー・ネットワークス,米アジレント・テクノロジーズ,英DCL,米ネットプレーン・システムズ,デンマークのネットテスト--の7社である。

 G-MPLSは,IP-VPNサービスの基盤技術などで使われている高速ラベル転送技術「MPLS」(multiprotocol label switching)を拡張した仕様。MPLSがATM(非同期転送モード)交換機やルーターなど,パケット交換方式のネットワーク・ノード上での動作を前提とするのに対して,G-MPLSはTDM(時分割多重装置)やWDM(波長分割多重)関連装置でも動作する。

 G-MPLSには,オーバーレイ・モデルとピア・モデルの二つのモデルがあるが,今回の相互接続テストは,ピア・モデルで実施した。ピア・モデルは,ルーターとWDM機器が互いに呼制御・経路情報プロトコルをやり取りするモデル。ルーターがWDM層の波長パスの経路を制御できる。

 今回の試験では,異なるベンダー間でやり取りするメッセージの記述方法などの点で相互接続できなかったパターンが11ほど存在した。ベンダー各社は今後こうした点を修正し,相互接続性を高めていく構えである。

(米田 正明=日経コミュニケーション)