携帯電話機ベンダー最大手のフィンランドのノキアは9月26日(現地時間),同社初のW-CDMA方式の第3世代携帯電話(3G)端末「Nokia 6650」を公開した(写真)。

 ノキアは今春から「W-CDMA端末を9月26日に発表する」と公言していた。ノキア製品は特に欧州市場でシェアが高く,消費者への高い訴求力が期待できる。このため,多くの欧州事業者がノキアの動向に着目していた。

 Nokia 6650は,欧州標準の第2世代携帯電話方式「GSM」にも準拠したデュアルモード端末。W-CDMAとGSMの商用デュアルモード端末は世界初である。GSM方式の携帯電話サービスは,欧州やアジアを中心に170カ国以上で商用化されている。GSMとのデュアルモード端末ならW-CDMAサービスの開始当初から,国内ローミングはもちろん,多くの国との国際ローミングが可能になる。

 ノキアはまず2002年第4四半期中に,3G試験サービス用にNokia 6650の出荷を始める。既に,フィンランドのソネラがNokia 6650の採用を表明済み。ノキアは2003年上半期中に,欧州やアジアでNokia 6650の一般ユーザー向けの量産出荷を開始したい考え。また,国際ローミングを重視するユーザーを狙って日本市場にも投入する。

 Nokia 6650は重さ141g,外形132×52×25mmと,NTTドコモのテレビ電話機能付きW-CDMA端末より若干小ぶり。128×160ドットで4096色表示のカラー液晶ディスプレイを採用し,連続通話時間はW-CDMAモードで2時間20分,GSMモードなら2時間40分になる。連続待ち受け時間は最大で350時間。短距離無線通信規格「Bluetooth」に準拠したワイヤレス・ヘッドセットの利用も可能にした。

 Nokia 6650のW-CDMAモードでの最大データ伝送速度は以下の通り,パケット通信では,受信時が最大128kビット/秒,送信時は最大64kビット/秒。また,回線交換型のデータ通信時は,送受信とも最大57.6kビット/秒である。通話とデータ通信を同時に実施するマルチタスク機能もある。

 通話やデータ通信以外の主な機能としては,端末の背面に開閉式のカメラを装備し,撮影した静止画や動画をメールに添付したり,MMS(multimedia messaging service)を利用して送信できる。MMSは,携帯電話機間でやり取りするメッセージ・サービス。また,ブラウザフォン・サービスの利用や,Javaアプリケーションのダウンロードが可能。