NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は9月25日から,セキュリティ機能付きの企業向けインターネット接続サービス「Secure OCN」の提供を開始する。ADSL(asymmetric digital subscriber line)やFTTH(fiber to the home)回線を使うインターネット接続サービスと,セキュリティ機能をバンドルした。

 Secure OCNには,アクセス回線が異なる3メニューがある。(1)アッカ・ネットワークスのADSL回線を使う「Secure OCN ADSLアクセスIP16(A)」,(2)NTT東西地域会社のADSLサービス「フレッツ・ADSL」を使う「同 ADSLアクセスIP8/16「フレッツ」プラン」,(3)東西NTTのFTTHサービス「Bフレッツ」を使う「同 光アクセスIP8/16/32/64「Bフレッツ」プラン」--である。いずれも8個以上のグローバルIPアドレスを固定的に割り当てる。

 セキュリティ機能は,(1)ファイアウォール,(2)メール不正中継防止,(3)侵入検知システム(IDS)--の三つを提供する。ファイアウォール機能は,アクセス回線で運用が異なる。アッカ回線を使う場合はNTTコムに運用をアウトソーシングする。フレッツを使う場合は,NTTコムからレンタルでユーザー企業が運用し,NTTコムが保守サービスを提供する。

 メール不正中継防止は,外部から踏み台にされることを防ぐ機能。OCN網内のメール・サーバーを必ず経由するように設定し,メールのあて先アドレスがユーザー企業以外の場合に送受信しないように対策を施している。侵入検知システムは,アッカ回線を使うメニューだけで提供する機能。OCN網内に設置したIDSで,リアルタイムでパケットを監視して,企業への不正アクセスを防止する。

 NTTコムの狙いは,セキュリティという付加価値を付けて,急増しているブロードバンド回線を利用する企業ユーザーを獲得することにある。「低料金を評価してADSLやFTTH回線を導入する企業が増えてきたが,セキュリティに不安があるという声が大きい。そこで,通信事業者側でセキュリティ機能を提供するサービスを提供することにした」(NTTコム)。

 アッカの回線を使うメニューは月額3万3500円から。フレッツ・ADSLを使うメニューは月額2万5600円から。Bフレッツを使うメニューは月額5万7800円から。ただし,東西NTTのフレッツ・シリーズを利用するメニューは,フレッツ・ADSLとBフレッツの利用料が別途必要である。