NTTドコモの立川敬二社長は9月5日,平成電電が同日にNTTドコモを含む携帯電話事業者を独占禁止法違反として公正取引委員会に申告(告発)したことについて「総務省の場で紛争処理中なのに,公正取引委員会に申告するのはいかがなものか」と不快感を表明した。「固定発携帯着」の料金設定騒動は,総務省外で拡大する一方だ。

 平成電電は,従来の3分80円~120円より安い,3分60円の料金で固定発携帯着の電話サービスを提供することを計画。このため慣行的に料金設定権を持っているNTTドコモを含む携帯電話事業者4グループに対し料金設定権を求めて交渉していたが,不調に終わった。平成電電は既に7月,電気通信事業法に基づく裁定を請求している。

 立川社長は平成電電が固定発携帯着の料金設定権を求めていることに対し,(1)通信において主要な設備を有する携帯電話事業者側が料金を決めるのは当然,(2)NTTドコモの固定発携帯着料金は,携帯発固定着の平均料金とほぼ同一--と同社の立場を説明した。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)