NTTドコモは9月5日の定例記者会見で,第3世代携帯電話(3G)サービス「FOMA」の新端末を,今秋から年末に向けて数機種投入することを明らかにした。iモード端末の「スタンダード・タイプ」やテレビ電話(ビジュアルホン)端末など,「間に合うものから順次投入する」(立川敬二社長)。

 今秋以降に投入する端末はバッテリーを強化し,最低でも150時間の連続待ち受け時間を実現する。これまで,FOMA端末の連続待ち受け時間は55時間程度と短く,FOMA普及の足かせの一つとなっていた。このほか,ディスプレイの解像度や端末の操作性などを改良する。さらにNTTドコモは,FOMAの新端末「T2101V」(東芝製)のデモ機を公開(写真)。端末の上部にカメラを備えたビジュアルホン端末である。

 FOMAの弱点だったサービス・エリアも改善されつつある。現在の人口カバー率は70%程度で,年度末には人口カバー率90%に達する。「端末の充実とエリア拡大で,FOMAの市場拡大に弾みがつく」(立川社長)と期待する。

 このほかPHS事業のてこ入れ策として,定額PHSサービスの提供を検討していることを明らかにした。従量課金のアクセス・チャージなど,定額制を実現する上で問題はあるが,「できるだけ早く検討の結果を発表したい。ただし今年度内は難しく,早くても2003年度になる」(立川社長)としている。