NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は8月1日,同社のインターネット接続サービス「OCN」に,NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)の個人向けサービスを統合すると発表した。10月1日に統合を完了する計画で,NTTPCが7億3000万円で営業譲渡する形をとる。

 今回の統合は,NTT持ち株会社が4月に発表した3カ年計画を受けてのこと。NTTグループ内で重複しているサービスを集中させ,営業活動の効率化などを狙う。会員数320万のOCNに,11万加入のInfoSpereの個人向けサービスが吸収される格好となった。

 NTTPCが営業譲渡するのは,ダイヤルアップ接続のLite プチ/A/B/C,Xpert,デュオ1時間/4時間/10時間コース。ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスではXpert ADSLのうち月額料金をクレジット・カード払いであるユーザー,FTTH(fiber to the home)サービスでは,Xpert Hikariベーシック/ニューファミリー/ファミリー/マンションのユーザーが対象になる。いずれも,クレジット・カード払いの,個人ユーザーを想定したプランである。

 NTTコムとは異なるメニューや料金体系で運営されてきため,統合後はNTTコムのメニューの中から,もっとも内容が近いものへと移行を勧める。メール・アカウントについては「しばらくinfosphereドメインは残すが,半年程度でocnドメインに移行してもらう」(NTTコムの澤田純コンシューマ&オフィス事業部企画部長)。また,「法人向けサービスの統合や,ほかのインターネット接続サービスとの統合については未定」とした。
(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)