NTT西日本は7月23日,大阪府と兵庫県の一部地域で7月15日に発生した電話がきわめてつながりにくくなる現象(ふくそう状態)の原因を調査した結果を公表した。

 調査によると,ふくそう状態が発生したのは,携帯電話機に電話をかけて呼出音を1回だけ鳴らして切る処理,いわゆる“ワン切り”の発信が大量にされたためである可能性が高い。NTT西日本は,(1)ある特定の交換機から機械的に大量の発信がされ,電話網の負荷が増大した,(2)通話相手が出る前に発信側は接続要求をやめ,通話が成立しない「不完了呼」になっている,(3)発信先が携帯電話など移動体網である――の三つの特徴を上げている。

 NTT西日本は当面の対策として,大量の不完了呼への監視を強化。ふくそうが発生する恐れがある際には回線に対して発信規制をかけることにした。また大量の不完了呼を短時間で検出する技術の検討も始めるとしている。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)