平成電電は7月18日,NTTドコモとau,J-フォン,ツーカーの携帯電話事業者4グループとの接続協議が不調に終わったとして,総務省に接続協定裁定を申請したと発表した。同社は,「固定発携帯着」(固定電話から携帯電話への発信)の電話料金を独自に設定することを目的として携帯電話各社と交渉を続けてきた。しかし,1年以上を経ても,合意に至らなかったという。

 現在,日本国内で固定発携帯着の料金設定権は,携帯電話事業者が持つ。結果として固定発携帯着の料金は,基本的にどの固定電話事業者を選択しても事実上料金は同じになっていた。平成電電は,(1)企業努力で獲得した固定電話ユーザーには同社が独自に設定した料金を適用すべき,(2)「携帯発固定着」は携帯電話事業者が料金を設定しているのに,固定発携帯着を固定電話事業者が設定できないのは不平等--,などと主張してきたが,携帯電話事業者に認められなかったという。

 同社はこのため,電気通信事業法第39条第3項に基づき裁定を申請。総務大臣は,電気通信事業紛争処理委員会の答申を得た上で裁定を下す。平成電電の主張を認めれば,携帯電話事業者に接続を命令することになる。同社は接続が認められれば,ほかの固定電話事業者(3分80円~120円)より割安の3分60円で,固定発携帯着の通話を提供するとしている。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)