有線ブロードネットワークス(usen)は7月17日,総務大臣から第一種電気通信事業許可を取得する。一種事業者として,9月に同軸ケーブルと光ファイバを使うHFC(hybrid fiber coax)サービスを東京都の一部エリアで開始する。usenが提供中のFTTH(fiber to the home)サービスでは子会社が一種事業者,usenが二種事業者として提供していた。
HFCは幹線部分を光ファイバで配線し,電柱上などに置く光/電気変換装置からユーザー宅までを同軸ケーブルでつなぐ形態。一般に,CATVインターネットで利用している。ケーブル・モデムを使って,高速回線を複数ユーザーで共用する。usenが9月に始めるサービスでは,最大速度を下り(インターネットからユーザー宅方向)が30Mビット/秒,上りが10Mビット/秒に設定し,ADSL(asymmetric digital subscriber line)インターネット並みの月3000円程度で提供する。
usenがHFCサービスに参入するのは,ADSLインターネットの普及で個人向けのFTTHサービスが苦戦しているため。ADSL対抗策として,月額料金が同程度のHFCサービスを打ち出す。また,usenにはHFC網を構築しやすい条件があった。usenは音楽配信サービス向けに同軸ケーブル,FTTHサービス向けに光ファイバを保有しているためである。