NTT-MEは7月2日,中小企業を対象としたIP-VPNサービス「エンタープライズVPN」を7月下旬から提供開始すると発表した。サービスの特徴は,同社が提供中のIP電話サービス「WAKWAKコール・ゴーゴー」を同時に利用できること。エンタープライズVPN用に引き込んだアクセス回線上に,音声データも多重して提供する。

 エンタープライズVPNは,暗号化通信プロトコルのIPsec(IP security protocol)を利用して,企業の拠点間を接続するサービス。IPsec対応ゲートウエイ装置として,米ネットスクリーンの「NetScreen 5XP」をユーザー宅に設置する。アクセス回線にはNTT東西地域会社のフレッツ・ADSLまたはBフレッツを使う。

 エンタープライズVPNの料金は,初期費用が7万1500円。ADSL回線で接続可能な端末数を10台までに限定するメニューが月額1万8900円,台数無制限のメニューが2万5800円など。アクセス回線費用は,別途NTT東西地域会社に支払う必要がある。また,WAKWAKコール・ゴーゴーを併用する場合にも別に料金が必要となる。

 NTT-MEは同日,9月からWAKWAKコール・ゴーゴーの他社ブランドによる提供(OEM)を開始することも発表した。インターネット接続事業者(プロバイダ)や,PBX(構内電話交換機)メーカーなどを通じて,IP電話サービスの販売拡大を狙う。このほか,今回発表したエンタープライズVPNや,7月1日に発表した無線LANアクセス・サービスなどもOEM提供を進める計画。OEM事業全体で2002年度に30億円の売上げを見込む。