NTT東日本は6月24日,FTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ」に,ビルやマンション向けの新メニュー「FWAタイプ」を加えると発表した。ユーザー宅に最寄りの電柱などまで光ファイバを引き込み,ユーザー宅と電柱間の通信には無線の固定通信アクセスであるFWA(fixed wireless access)を使う。無線の利用周波数帯は26GHz。

 伝送速度は最大で23Mビット/秒で,この帯域をマンション全体のユーザーで共有する。1ユーザー当たりの月額利用料金は8700円で,これにはユーザー宅に設置するアンテナや宅内装置のレンタル料金も含まれる。初期費用は契約料が800円,工事費が1ユーザー当たり目安として2万円程度かかる。インターネット接続事業者(プロバイダ)のメニューは,既にあるBフレッツのマンション向けメニュー「マンションタイプ」の価格を適用する。1ユーザーが同時接続できる端末台数は5台まで。

 ただし,FWAによるサービスを提供するのは,電柱などに設置するアンテナからユーザー側に設置するアンテナが見通せる場合だけ。電波が届かない場所にマンションがある場合は,十分なスループットが出なかったり頻繁に途切れる可能性があるからだ。

 これまでマンションでBフレッツを利用しようとしても,構内配管や共用スペースなどの設備の都合により,光ファイバを引き込めない場合が多かった。FWAタイプは,こうしたケースに対応するため新設したもの。9月2日から受け付けを開始,早ければ9月中にも提供を始める。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)