米ウォッチガード・テクノロジーズは6月4日,ファイアウォールの専用装置「Firebox Vclass」シリーズを発表した。7月中に出荷を開始する予定。
新シリーズは,大規模ネットワークを持つ企業やインターネット接続事業者(プロバイダ)向け。既に販売している「Firebox III」シリーズの上位製品になる。
Firebox Vclassの特徴は,すべての処理を専用のASIC(特定用途向けIC)で実現すること。ファイアウォール機能のほか,IPsec(IP security protocol)に準拠したVPN(仮想閉域網)機能や,サーバー負荷分散機能などを搭載する。
シリーズは上位機種から順に,「Firebox V100」,「同V80」,「同V60」,「同V10」の4タイプを用意した。それぞれ,搭載するポートの種類やASIC数が異なる。最上位機種のV100の場合,1000BASE-SXポートを2個搭載する。冗長構成を取るための専用ポートを搭載し,複数台接続することで耐障害性を高められる。ASICはデュアルで搭載し,ファイアウォールのスループットは600Mビット/秒に高めた。同時に構築可能なVPNトンネル数は最大2万。
価格は未定だが,V100,V80,V60については「いずれも100万円以上になる見込み」(ウォッチガード・テクノロジーズ・ジャパンの谷口忠彦営業本部長)。V10についてはライセンス制をとっており,「10ユーザーで20万円弱」(谷口本部長)となる予定だ。
ウォッチガードは2002年2月に同業の米ラピッドストリームを買収。今回発表した新製品にはラピッドストリームのASIC技術を全面的に活用した。