ウイルス対策ソフトの大手ベンダーであるトレンドマイクロとシマンテックは5月7日,4月に日本国内のユーザーから届け出のあったウイルス被害件数をまとめた。いずれも,1位がKlez(クレズ),2位がBadtrans.B,3位がException.Exploitである。数値は公表していないものの,日本ネットワーク・アソシエイツによる集計でも同じ順位だったという。なおトレンドマイクロ,シマンテックとも,トップのKlezの被害件数は3月と比べ,約7倍に急増している。

 トレンドマイクロの集計結果では,Klezが2240件,Badtrans.Bが483件,Exception.Exploitが221件。シマンテックでは,Klezが1276件,Badtrans.Bが136件,Exception.Exploitが95件となった。

 Klezは,2001年に大流行したNimdaと似た活動をするウイルス。Widows 9x/ME/NT/2000/XPに感染する。2001年10月にオリジナルが登場して以後,次々と亜種が生まれ,現在は10種類近くあると言われる。マイクロソフトの「Internet Explorer」のセキュリティ・ホールを悪用し,OutlookやOutlook Expressでメールをプレビューしただけで感染する。常駐のウイルス対策ソフトを停止させたり削除することもある。