クロスウェイブ コミュニケーションズ(CWC)は4月18日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)などのブロードバンド回線を使って企業の拠点間を接続するIP-VPN(仮想閉域網)サービス「広域IPプラットフォームサービス」を提供すると発表した。サービス開始は6月1日から。

 広域IPプラットフォームは,NTT東西地域会社の地域IP網とCWCが構築した広域イーサネット網を組み合わせて提供する。アクセス回線としては,NTT地域会社の「フレッツ・ADSL」や「Bフレッツ」などのフレッツ・シリーズを利用する。

 CWCは,地域IP網上にアクセス回線を集約する「地域ポート」を県単位に設置。そこから広域イーサネット網で全国を結んで閉域IP網として提供する。CWCが提供している広域イーサネット・サービス「広域LANサービス」とも相互接続可能。全国の小規模拠点を広域IPプラットフォームサービスで収容し,広域LANサービスでつないだセンター拠点と相互接続するといった形態で利用できる。

 他社のIP-VPNサービスと異なるのは,中継区間にイーサネット網を使い,経路制御をCWCのネットワーク・センターに設置するレイヤー3スイッチで実現すること。IP-VPNサービスは,一般に中継網上に複数のルーターを配置し,各ルーターごとに経路制御している。しかし,CWCは「すでに運用実績のある広域LANサービスと同様に,LANスイッチを中心とした構成にすることでネットワーク運用の信頼性を高めた」と言う。

 利用料金は,複数の品目の組み合わせで決まる。具体的には,(1)CWCのレイヤー3スイッチへの接続速度で決まる「基本サービス料金」,(2)地域ポートの利用速度で決まる「地域ポート料金」,(3)接続する拠点ごとに発生する「拠点ID料金」――の合計となる。(1)は10Mビット/秒で月額50万円,(2)は10Mビット/秒で月額25万円,(3)は,フレッツ・ADSLを使う場合で月額6000円など。ただしアクセス回線の費用は別途必要。

(滝沢 泰盛=日経コミュニケーション)