ソフトバンク・グループがADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB」のユーザー向けに展開するIP電話サービス「BB Phone」の法人向け料金体系が明らかになった。日本で初めて,IP電話からNTT加入電話への通話に定額料金制を採用する。

 BB Phoneの法人向け料金には3分○円といった料金体系がなく,ユーザー企業ごとに支払額を定める。具体的には,ユーザーが従来支払っていた月額の通話料よりも2割安く設定する。その料金で,加入電話あての通話はかけ放題となる。通話料を定めず,利用者が従来支払っていた金額を基にする料金体系は「前代未聞」(総務省)だ。ただし,携帯電話への通話料金は従量課金とする。

 加入電話あての電話サービスを提供する場合,サービス提供事業者は従量課金である加入電話網との接続料をNTT東西地域会社に支払わなければならない。ユーザーが長時間通話すれば接続料の支払いがかさみ,定額料金制では持ち出しになる恐れがある。ソフトバンク・グループは,そのリスクを覚悟した上で勝負に出た格好である。