宮津純一郎NTT(持ち株会社)社長は3月22日の社長会見で,グループ会社のインターネット接続事業の統合を検討していると報道があったことに対し,「すぐに統合するわけではないが,社内で検討していると思う」と回答した。


 宮津社長は,「インターネット接続サービスは差異化が図りにくくなってきた」と指摘。「商品にバラエティが出ないなら,統合して効率を追求した方が競争力が高まる」との見解を示した。NTT持ち株会社が毎年4月にまとめる事業計画「NTTグループ3カ年経営計画」でも,統合の必要性について触れる可能性を示唆した。


 ただし宮津社長は,「そこまで割り切って統合を目指すのがいいのか,本当にバラエティを出せないのかなどを話し合っている段階だろう」と,直ちに統合することは否定した。


 NTTグループでは現在,NTTコミュニケーションズ,ぷららネットワークス,NTTPCコミュニケーションズ,NTT-ME,NTTドコモとNTTデータが出資するドリームネット,NTTドコモや米アメリカ・オンラインなどが出資するドコモAOLの計6社がインターネット接続サービスを展開中である。統合が実現すれば会員数500万人超のインターネット接続サービスが誕生することになり,国内ではニフティと並び最大手の規模になる。


(島津 忠承=日経コミュニケーション)