世界最大規模の情報通信機器の総合展示会「CeBIT 2002」(セビット 2002)が,現地時間の3月13日にドイツ・ハノーバーで開幕する(写真上)。これに先立つ3月12日,数多くの情報通信機器ベンダーや通信事業者が,展示会場内で記者発表会を実施した。CeBIT 2002での大きな話題の一つは,GPRS(general packet radio service)方式の第2.5世代携帯電話(2.5G)とW-CDMA方式の第3世代携帯電話(3G)向けを中心としたモバイル機器である。

 12日に行われた記者発表もモバイル関連企業のものが多かった。世界最大の携帯電話機ベンダーのノキア(フィンランド)は,2.5G携帯電話機の新製品6機種を発表(写真下)。注目の3G対応機は9月26日に発表すると述べた。世界最大の携帯電話ネットワーク機器ベンダーのエリクソン(スウェーデン)は主に3Gに関する事業戦略を,欧州携帯電話機市場で高いシェアを持つ地元ドイツのシーメンスは2.5Gの新製品をそれぞれ明らかにした。NTTドコモから技術供与を受けてiモード・サービスを開始するドイツの携帯電話事業者E-プラスは,3月から開始するサービスの戦略を発表した。記者発表会は,13日以降も多数予定されている。

 13日から始まる展示会には,NTTドコモやNEC,松下通信工業,東芝,三菱電機,シャープ,富士通など日本のモバイル関連企業が多数名を連ねる。さらに,米モトローラ,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ,韓国サムスン,仏サジェム,米ヒューレッド・パッカード,米コンパック・コンピュータなど携帯電話機やPDA(携帯情報端末)の大手ベンダーも参加。主に2月から3月にかけて発表した2.5G/3G携帯電話機やPDAを出展する。中には,CeBITで新製品を発表する企業もあると見られる

 CeBITは昨年,3月22日~28日に開催され,84万9300人の来場者を数えた。今年の出展企業は,昨年の8093社とほぼ同数の7962社。このうち3043社がドイツ以外の国の企業である。CeBIT展示会場は,20を超すビルと3カ所の屋外展示場からなり,総床面積は42万4173平方メートルに及ぶ。モバイル関連機器以外では,パソコン,プロセッサ,DVDドライブやプリンタなどパソコン周辺機器,OA機器,計測機器なども多数出展される。