NECは3月12日,高速なVDSL(very high bit rate digital subscriber line)製品を発表した。最大速度は,下り(センター装置からモデム方向)が最大51.2Mビット/秒,上りが最大6.4Mビット/秒。現状のVDSL製品は最大13Mビット/秒程度の機器が多く,VDSL製品の中でも高速である。ホテルや集合住宅などの建屋内での高速通信向けに,5月に出荷を開始する。
VDSL製品は,センター側装置「VDSLコンセントレータVC1200T」と,端末側の「VDSLモデムVF100T/VF100TD」のセット構成。下り51.2Mビット/秒,上り6.4Mビット/秒の非対称速度のほか,上り下りとも最大28.8Mビット/秒の対称速度でも使用できる。ただし,伝送距離は300mに限定される。13Mビット/秒の対称速度なら,1kmまで距離を延ばせる。
特徴は,1本の宅内電話配線ケーブルをISDNサービスとVDSLで共用できること。ISDNが使う周波数帯をVDSL機器で利用しないように設定できる。VDSLとISDNを1本の電話ケーブルに多重する際は,ISDN信号とVDSL信号を分離するスプリッタを設置する。
価格は,12回線分のセンター側装置とVDSLモデムに,インターネット接続用のルーターなどの通信機器と工事費をまとめたパッケージで98万円から。