NTTドコモと米オラクル,日本オラクルの3社は3月6日,企業向けモバイル・システムの構築と販売で相互に協力していくと発表した。NTTドコモの移動通信技術とオラクルのデータベース技術を組み合わせて提供する。今後具体的なソリューションの検討を進め,半年後の商用化を目指す。

 3社が協業するのは,(1)技術・製品開発,(2)販売・マーケティング,の2点。オラクルのデータベース・ソフト「Oracle 9i」シリーズと,NTTドコモの移動通信サービスを組み合わせたソリューションを開発する。開発後は,顧客にソリューションを提案するためのマーケティング活動を共同で展開する。

 具体的なソリューションとして,営業や保守業務などの支援システムなどを想定している。例えば,社外を回る営業員に携帯情報端末(PDA)を持たせ,本社のデータベースにアクセスするシステムを提供。PDAにGPS(global positioning system)を搭載して,経路情報や営業先情報の取得を可能にする。さらに,プッシュ配信技術により,データを本社側から動的に配信することもできる――といったイメージだ。

 NTTドコモの第3世代携帯電話サービス「FOMA」も積極的に活用する。高速データ通信機能を生かし,従来より容量の大きい画像や地図情報などを使ったソリューションを開発する。

 ただし,3社が今後開発するソリューションの一部は,他のインテグレータなどによって既に実現済みのものもある。そのため,今回の協業は,「3社が公式にパートナ関係を示すことでユーザーに信頼感を与え,モバイル・ソリューションの普及を加速させる」(NTTドコモの加藤秀樹・MMビジネス部長)意味合いも大きい。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)