NTT持ち株会社の宮津純一郎社長は3月1日の社長会見で,NTT東西地域会社とNTTコミュニケーションズがIP電話サービスに本格参入するとの一部報道があったことに対し,「3社はそれぞれIP電話に取り組んでいるが,一般的な加入電話と同等の本格サービスを手がけるかどうかについては白紙」と答えた。

 3社は現在,NTTコミュニケーションズがインターネット接続サービスのユーザー向けにIP電話サービス「OCNボイスモード」を提供中。またNTT東日本は「フレッツ・コネクト」,NTT西日本は「Metting Plaza for フレッツ」の名称で,IPビデオ電話の試験サービスを展開している。

 宮津社長は,こうしたユーザーの範囲を限ったサービスなら提供しやすいとする一方,「加入電話と同等のサービスを提供するとなると,厄介な面を多く抱えている」と指摘。一例として,IP電話の着信用の番号や音声品質基準が定まったばかりである点などを課題として挙げ,本格サービスを早期に開始することは難しいとの認識を示した。