両社が共同で検討するのは次の3項目。(1)FOMAなどの移動通信サービスを活用した車載機器や情報配信プラットフォームの開発,(2)自動車への情報提供をはじめとした各種サービスの開発,(3)国内でのビジネス展開と普及促進--である。このうち情報配信プラットフォームは,ユーザー認証や課金代行,セキュリティの確保,エージェント機能,音声認識/合成機能などを実現するシステムのことだ。
まず2003年をめどに,交通情報や気象情報,駐車場や施設の空き情報などと最新の道路地図データを連携させたナビゲーション・サービスの実現を目指す。車載端末と携帯電話機やPDA(携帯情報端末),パソコンとの情報共有や,GPS(全地球測位システム)を使った車の位置情報や音声認証/合成機能も活用する。
さらに2004年以降は順次,損害保険会社やガソリン・スタンド,警備保障会社など自動車関連各社と連携し,サービスの高度化を図る。電子マネーや放送,DSRC(dedicated short range communications)など他サービスも取り込む。DSRCは,ETC(electoric toll collection system)で採用した短距離無線通信技術である。
ただし,「今回の提携は,両社のパートナを固定化するものではない」(立川敬二NTTドコモ社長)。共同検討の成果は多くの企業にオープンにし,国内外を含めて他の自動車メーカーや携帯電話事業者との提携も視野に入れている。