NTTドコモとドイツの携帯電話事業者E-Plusは2月18日,iモード・サービスに関する特許やノウハウ,技術などを有償提供することで合意した。E-Plusは3~4月をめどに,ドイツでiモードとの互換性の高いブラウザフォン・サービスを開始する。E-Plusは,サービス名を「iモード」にするための商標使用許諾も受けた。

 E-Plusの“iモード”に対応した携帯電話機は,2種類のコンテンツ記述言語に対応したデュアル・ブラウザ端末となる。コンテンツ記述言語の一つは,NTTドコモのiモードと同じHTMLのサブセット。もう一つは,ブラウザフォン関連の国際標準化団体「WAPフォーラム」が作成した「WML1.x」である。

 ブラウザフォン・サービスは欧州各国で商用化されているが,現時点ではその大半がWML1.xに準拠。つまり,E-PlusはWML1.xに準拠することによってコンテンツを集めやすくなる。さらに,NTTドコモのHTMLサブセットに準拠することで,日本のコンテンツ・プロバイダがE-Plusにコンテンツを提供したり,NTTドコモとの国際ローミングを実現しやすくする。

 E-Plusのiモードは,NTTドコモのiモードと同様に,パケット通信方式を採用する。今回は,現行のGSM方式の携帯電話サービスの付加サービスとして提供するが,将来的にはW-CDMA方式の第3世代携帯電話サービスでの提供を想定している。サービス内容の詳細については,「数週間以内にE-Plusが発表する」(NTTドコモ)。

 NTTドコモは,iモード関連技術などの有償提供について,自ら資本参加するオランダの携帯電話持ち株会社KPNモバイルとも提携済み。KPNモバイルの子会社が今春をめどに,オランダとベルギーでiモードと互換性の高いブラウザフォン・サービスを「iモード」という名称で始めることが決まっている。E-PlusもKPNモバイルの子会社だが,契約内容が若干異なるため,KPNモバイルを介さずにNTTドコモと直接提携した。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)