2月6日から幕張メッセで開催中の情報通信ネットワークの総合展示会「NET&COM2002」のフォーラムで,東京電力が3月に開始するFTTH(fiber to the home)サービスの概要を解説した。東京電力 情報通信事業部光ファイバ事業部の田代哲彦グループマネージャーはその席上,「今後敷設していく光ファイバを使うFTTHサービスなら,通信のチャンピオンであるNTT東西地域会社とも真っ向から勝負できる」と断言。今後の事業展開に大きな自信と意欲を見せた(写真)。

 東京電力は3月に,東京都の世田谷区,大田区,目黒区の一部で最大100Mビット/秒のFTTHサービスを開始する。事業内容は,インターネット接続用のアクセス回線として,インターネット接続事業者(プロバイダ)に卸売りする形態とする。プロバイダ向けのアクセス回線として提供する理由について,「低料金を実現するには設備の利用効率を上げる必要がある。ユーザーの加入時に,プロバイダを切り替えるというハードルを設けたくなかった」(田代グループマネージャー)と説明した。

 今回のFTTHサービスは,子会社ではなく東京電力本体が自らFTTHサービスを提供する点が特徴。「東京通信ネットワークやスピードネットといった子会社が提供したり,新会社を設立することも考えた。投資額が大きいことやブランド力,工事会社への影響力などを考慮して,東京電力本体で参入することを決意した」(田代グループマネージャー)と,これまでの経緯を語った。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション編集)

「NET&COM2002 特番サイト」はこちらへ