ADSL(asymmetric digital subscriber line)回線を使ったカラオケ配信サービスなどを手がけるキュービー(QB)は2002年3月,ADSL回線経由のレンタル・ビデオ・サービスを開始する。

 新サービスの名称は「レンタルビデオ・オンライン」。映画やドラマ,アニメ,スポーツ,音楽番組などの映像コンテンツをADSLユーザーに配信する。対象となるのは,アッカ・ネットワークスとトーカイ・ブロードバンド・コミュニケーションズのユーザー。NTT東西地域会社の「フレッツ・ADSL」のユーザーにも順次,提供を始める予定。

 レンタルビデオ・オンラインの特徴は,映像をテレビに映し出すこと。QBが貸し出す専用のセットトップ・ボックスを設置し,テレビ受像器にS端子やコンポジット端子などの映像端子で接続する。パソコンの画面では見られない。符号化速度700kビット/秒の速度で,VHSビデオ相当の品質の映像を配信する。

 コンテンツは独自の符号化技術を使って圧縮配信し,セットトップ・ボックス内のハード・ディスクに保存する。ただしレンタル期間が過ぎると,映像は見られなくなる。レンタル期間は1泊2日と7泊8日の2種類で,料金は映画コンテンツの場合,大手レンタル・ビデオ店と同程度に設定する。タイトルによって異なるが,350円~400円程度になる見込み。ほかにセットトップ・ボックスの使用料込みで月額800円の基本料が必要。入会金は2万円。

 QBは,2001年10月から12月にかけて,主に配信映像の画質を評価するために,都内の一部エリアでレンタルビデオ・オンラインを試験提供してきた。試験の結果,本サービスでも十分提供できる画質だと判断した。