NTTドコモは1月25日,インターネット接続事業者(プロバイダ)がiモード利用者に対してiモードと同等のサービスを提供できるようにするため,網接続インタフェースを公開した。総務省が2001年に打ち出したブラウザフォン・サービスのオープン化指針に応えたもの。

 現在,ユーザーがiモード・サービスにアクセスするためのメニュー「iMenu」を選ぶと,NTTドコモが提供するメニューが表示される。他プロバイダが,今回公開した接続インタフェース仕様に従ってNTTドコモと相互接続すれば,ユーザーがiMenuを選んだ際に,NTTドコモのメニューではなく,自社のメニューを最初に表示させられるようになる。

 また現在,iモード携帯電話機で電子メールを使う場合,メール・アドレスの「@」以降の文字列に「@docomo.ne.jp」を使わざるを得ない。ユーザーが,NTTドコモと接続した他プロバイダと契約すれば,「@xxx.ne.jp」といった他プロバイダの文字列を使えるようになる。

 ドコモと他プロバイダの当面の相互接続カ所は東京都内の2カ所。PDC携帯電話向けパケット網(PDCパケット網)とFOMA用の新パケット網(IMT-2000パケット網)のそれぞれで1カ所ずつ相互接続点を設置する。相互接続点とは高速ディジタル専用線で接続,両社のルーターを対向させる。両方式向けにサービスを提供するプロバイダは,2カ所の接続点でドコモと接続する必要がある。

 ユーザーは,あらかじめポータル・サイトとなるプロバイダの「接続番号」(PDC方式の場合)または「接続先アクセス・ポイント」(FOMAの場合)を,iモード対応携帯電話機に自身で設定しておく。ただし,「これらの番号は数字なのか,ドメイン名なのか,具体的に何を使うのかまでは現時点では公開していない」(NTTドコモ)。

 NTTドコモは,この接続先番号と接続先アクセス・ポイントの情報を基に,ユーザーのアクセスを該当プロバイダに振り向ける。他プロバイダを選ぶiモード端末利用者のために,新たな契約プラン「iモード ライトプラン」を設ける。料金などは未定。2002年11月上旬に試験的に接続を開始し,「この試験の状況を踏まえて,各プロバイダが順次本サービスに移行していくことになる」(立川敬二NTTドコモ社長)。

 NTTドコモは2001年3月に,iモード網を他プロバイダに2003年3月までに開放すると表明していた。「対応設備の開発が順調に進んだので,若干前倒して,2002年11月から接続試験を始めることにした」(立川社長)。

(米田 正明=日経コミュニケーション)