有線ブロードネットワークスの子会社であるメディアは1月21日,同社が1月30日から開始する電話サービス「えむ電」に,新料金プラン「6円電話」を追加すると発表した。市内通話が2分6円の低料金プランを用意することで,参入が相次ぐ格安電話サービスの中で差異化をはかる。

 「6円電話」は,文字通り6円単位で課金する料金プラン(表)。通話時間は距離区分により異なるが,「市内通話が多く,通話時間も短いユーザー向けに用意した」(メディア)。市外通話も,通話時間が短ければメリットがある。6円で通話可能な秒数は,県内の市外通話は60km超で45秒間,県外通話は100km超で23秒間である。

 さらに,20回線以上を契約した場合,同じ通話時間を5.4円で課金する「ビジネスプラン」も用意する。サービス開始時点の提供地域は,東京,神奈川,千葉,埼玉の1都3県。

 2001年末から2002年にかけて,新興事業者の電話サービス参入が相次いでいる。平成電電が2001年12月21日から,東京,大阪など9都道府県で,回線交換方式の電話サービスを開始。月額利用料金が別途必要だが,市内通話料を3分7.5円,県外通話を2分10円で提供している。また,ヤフーとBBテクノロジーは,IP電話サービス「BB Phone」を今春に開始する。ユーザーは同社のインターネット接続サービス「Yahoo!BB」会員に限られるが,加入電話への通話料金は全国一律3分7.5円である。

 メディアは,今回発表した料金プラン以外に,2種類の電話サービスを提供することをすでに発表している。一つは,市内通話が3分8.2円,長距離が最遠距離で3分20円の「3分電話」。もう一つは,企業ユーザー向けのIP電話付きの専用線インターネット接続サービス「メディアライン」。月額基本料金が別途必要となるが,加入電話に発信する場合は市内通話が3分6円,市外通話が最遠距離で3分18円で提供する。

 メディアは,サービス・ラインナップを拡充することで特色を打ち出し,顧客獲得を目指す。
(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)