CSディジタル放送「SKY PerfecTV!」を運営するスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)は,2月1日からNTT東西地域会社の地域IP網を利用したコンテンツ配信サービス「スカパー!BB」のトライアルを開始する。

 トライアルの対象は,東西NTTが提供するADSL(asyncronous digital subscriber line)サービス「フレッツ・ADSL」の利用者のうち東京都内と大阪府内の居住者。60社以上が,無料,有料を合わせてファイル数で550超のコンテンツを用意する。これらのコンテンツは,SKY PerfecTV!の番組供給者がCS放送用の番組素材も活用しながら,オンデマンド視聴向けに再編集したもの。トライアルが一定の成果を挙げれば,5月1日から本サービスに移行する予定だ。サービス提供地域も段階的に全国に広げていく。

 スカパー!BBは,NTT東日本が地域IP網内で運営するコンテンツ配信サイト「フレッツ・オンデマンド」と,NTT西日本による同「フレッツ・スクウェア」の両方で提供。トライアル期間中は東西で別の映像符号化方式や料金徴収方法を採用して,運用体制を評価する。東日本では映像符号化に米リアル・ネットワークスの方式を採用し,コンテンツ利用料の徴収は電話料金請求と合わせて行う。一方,西日本では米マイクロソフトの映像符号化方式を用い,料金徴収にはクレジットカードを使う。

 トライアル期間中は,各番組供給者が複数の映像コンテンツを置いた「コーナー」ごとに月額固定の料金を設け(100円~2000円),利用者が契約するコーナーを選ぶ。本サービスに移行した段階ではスカパーが基本料金を徴収した上で,チャンネルをパッケージ化して割安にしたり,視聴した分を後払いするペイ・パー・ビュー(PPV)方式を導入することなども検討している。また,放送サービスの加入者にはコンテンツの利用料金を割り引くなどして,放送事業とコンテンツ配信事業の相乗効果を挙げる狙いだ。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)