NTT東西地域会社は,年内に加入者交換局の局舎(コロケーション・スペース)を他事業者が利用するときの契約約款を年内に変更する方針を固めた。最大保留期間を1年3カ月から6カ月へと短縮することで,ひっ迫しているコロケーション・スペースの需給緩和を目指す。

 東西NTTは,契約約款の変更を10月30日に総務省に申請。総務省が公募した意見では,「Yahoo! BB」向けに大量にスペースを保留済みと見られるソフトバンク・グループが約款変更に反対する一方,他事業者は賛成と,意見は真っ二つに分かれていた。

 結局情報通信審議会は12月21日,(1)返還されたスペースの再割り当ては不足した事業者を優先する,(2)局舎のスペースが不足する場合は,東西NTTが既に保留済みの事業者と保留済みのスペースの返還協議をする--などの付帯意見をつけて,認可を認める答申を出した。

 これを受け東西NTTは,「弁護士を交えて約款の文言を調整中」(NTT東日本の佐々木崇相互接続推進部長)。総務省に申請した上,今年中に約款を変更するという。新約款は,変更日を起算点に旧契約にも適用。6カ月後には保留したまま未使用スペースの返還が見込める。さらに6カ月未満でも返還協議を求められる。順調にいけば,局舎のスペース不足でADSL回線の開通に支障をきたすといった最悪の事態は避けられそうだ。