J-フォンは12月25日,ブラウザフォン・サービス「J-スカイ」向けの迷惑メール対策の強化について三つの具体策を発表した。(1)あて先不明の大量な電子メールの受信ブロック,(2)受信設定機能の拡充,(3)アドレス変更機能の使い勝手の強化――である。迷惑メール対策を強化することで,ユーザーの利便性向上を目指す。

 (1)は,J-スカイ向けメール・システムに同一送信元からあて先不明メールが大量に送られてきた場合,システム側でブロックするもの。不要なメールを遮断することで,それ以外のメールの遅延を防ぐ。過去には,システムに届くメールの総量が一定値を超えた場合に,すべてのメールをブロックする措置を採ったことがあった。2002年1月1日から実施する。

 (2)は,特定のメール・アドレスやドメインからのメールの受信拒否や許可を設定する機能。登録数を従来の最大10件から20件に拡大した。受信許可や拒否の対象となるアドレスやドメインは,パソコンを使ってJ-フォンのホームページ上で登録する。この機能は12月2日~17日の間に順次,全国で利用できるようになった。

 (3)は,携帯電話機のメール・アドレスを,携帯電話機から手軽に変更できるようにするもの。アドレスの変更は従来,パソコンでJ-フォンのホームページにアクセスするか,メールを利用する必要があった。今後は,J-スカイ向け公式コンテンツのメインメニューで「カスタマーサービス」を選び,さらに「J-Phoneカウンター」にアクセスすれば,変更操作ができる。変更時の通信料は無料。2002年1月15日から実施する。

 迷惑メール対策は,NTTドコモやKDDIグループも次々と強化策を打ち出してきた。例えば,大量の宛先不明メールをシステム側で受信ブロックする措置は,ドコモは11月,KDDIは12月から実施。受信メール拒否/許可機能やメール・アドレス変更機能も,順次強化を進めている。しかし,抜本的な解決策はまだ見つかっていないのが現状である。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)