福岡県は11月9日,県内高速通信網「ふくおかギガビットハイウェイ」(FGH)を稼働させた。MPLS(multiprotocol label switching)ベースのIP-VPN(仮想閉域網)として民間企業に開放する。福岡県の麻生渡知事も,「民間企業のネットワーク環境を発展させる“呼び水”にしたい」との意気込みを語る。

 FGHの最大の特徴は,無料で利用できること。ただしアクセス回線に使う専用線などの料金は別に必要である。無料とはいえ,BGP-4(border gateway protocol 4)による動的ルーティングをサポートするなど,サービス内容は通信事業者のIP-VPNに見劣りしない。

 アクセス・ポイント(AP)は福岡市,北九州市,直方市,飯塚市,田川市,久留米市,大牟田市の計7カ所。日本テレコムのIP-VPNサービス「SOLTERIA」と接続することで,県境を越えたイントラネットの構築も可能にした。

 福岡県は同日,FGH稼働を記念するセレモニーを開催した。石井威望東京大学名誉教授らがメッセージを寄せたほか,ユーザーとして名乗り出ている無線インターネット接続事業者のワイヤレスインターネットサービス(WIS)などがデモを実演した。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)