NTT持ち株会社は11月1日,NTT研究所とNTTグループおよび関連企業各社主催の技術イベント「つくばフォーラム2001」を開催した。テーマは「光ソフトサービスを実現するブロードバンドアクセスネットワーク」。NTTが研究・開発を進める最新通信技術の展示やデモなどを多数展示している。会場はNTTアクセスサービスシステム研究所(茨城県つくば市)内。同フォーラムは2日まで開催する。

 特に第2会場では,NTT東西地域会社などが今後,提供を計画している新しいブロードバンド・サービスの基盤技術を展示中。例えば,FTTH(fiber to the home)の分野では,今年度中にも実験サービスを開始する「100MブロードバンドIPアクセスシステム」(仮称)に使用する光スプリッタや,加入者宅装置(ONU:optical network unit)を出展した(写真)。

 100MブロードバンドIPアクセスシステムは,ATM専用線サービス「ATMメガリンク」に使っている光アクセス技術「BPON(broadband passive optical network)」をFTTHサービスに活用するもの。1本の光ファイバを最大32ユーザーで共用し,最大100Mビット/秒の高速アクセス・サービスを家庭に提供する。将来的には,FTTHサービス「Bフレッツ」の一つのメニューとして提供する見通しだ。

 無線通信アクセスの分野では,NTT東西地域会社が提供を予定している固定無線アクセス・サービスに使用するFWA(加入者系無線アクセス・システム)機器を展示した。26GHz帯の周波数を使い,最大30Mビット/秒の伝送速度を最大200人程度のユーザーで共用することが可能。今後,伝送速度を最大60Mビット/秒に引き上げる予定だ。

 このほか,NTT東日本が実験中のホットスポット・サービス「Biportable」に使用しているHiSWANa(high speed wireless access network type a)規格の無線通信機器や,5GHz帯の無線LAN規格IEEE802.11aを使った無線LAN装置の試作品,Bフレッツの「マンションタイプ」に使用する計画のVDSL(very high bit rate digital subscriber line)装置なども展示している。

(安井 晴海=日経コミュニケーション)