米トップレイヤーネットワークスは10月3日,負荷分散装置の新製品「IDSBalancer」シリーズを発表した。10月下旬に出荷を開始する。

 IDS Balancerは,社内ネットワークへの不正アクセスを検知するIDS(不正侵入検知システム:intrusion detection system)専用の負荷分散装置。インターネットからの不正侵入を検出する複数のIDSサーバーに処理を分散させる。「複数のIDSでパケットを処理できるようになるので,大量のアクセスがある大規模なサイトでも,すべてのパケットをチェックできる」(ダン・トーマス・マネージング・ディレクタ)。

 具体的には,Webサーバーが受け付けるすべてのパケットを,ルーターのMirrorポートなどを使って複製し,IDS Balancerに配信。複数のIDSサーバーにラウンドロビン方式で処理を順番に振り分ける。アクセス先のアドレス単位にIDSサーバーをグループ化できるほか,HTTP(hypertext transfer protocol)など特定のアプリケーションだけをIDSサーバーに振り分けるといった使い方が可能となる。IDSサーバー自体の障害を検知する機能も搭載する。

 トップレイヤーは,これまでにファイアウォールの負荷分散や帯域管理など多様な機能を搭載した「AppSwitch」シリーズを出荷している。新製品の出荷は,「ユーザー企業の声でも特に多い,セキュリティ確保に対するニーズにこたえる」(トーマス・ディレクタ)狙いがある。

 製品は,10BASE-Tと100BASE-TXを自動認識するポートを12個もつ「IDSBalancer3531」と,10M/100M自動認識ポート12個とギガビット・イーサネット・ポートを2個持つ「IDS Balancer3532」の2タイプを用意した。参考価格は,IDSBalancer3531が280万円,同3532が560万円。


(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)