10Gビット/秒のイーサネットの普及促進を目指す業界団体「10 Gigabit Ethernet Alliance」(10GEA)は,「Networld+Interop 2001 Atlanta」(N+I 2001)にブースを構え,10Gビット/秒のイーサネットの稼働デモを実演した。今回10GEAのブースに参加した企業は,米シスコ・システムズ,米エクストリーム・ネットワークス,カナダのノーテル・ネットワークス,米ファウンドリ・ネットワークス,米インテルなど18社。

 シスコは同社のLANスイッチ「Cisco Catalyst 6500」に,1310nmの短波長帯を使う「10GBASE-LR」対応のモジュールを搭載して稼働させた。同社は,独自の10ギガビット・イーサネット仕様「10GBASE-EX4」も発表,自社のブースで展示・実演して見せた。10GBASE-EX4の特徴は,長距離伝送が可能な点。10GBASE-LRの伝送距離は最大10km。1550nmの長波長帯を使う標準仕様「10GBASE-ER」でも,伝送距離は最大40kmまで。それに対して,シスコ独自の10GBASE-EX4は,10GBASE-ERと同じ長波長帯の光信号を使って波長多重しながら,最大50kmの伝送距離を実現する。

 ノーテルは10GEAのブースで,測定装置ベンダーの米スパイレント・コミュニケーションズと協力してデモを行った(写真)。スパイレントの擬似トラフィック装置「SmartBits」を使って,10Gビット/秒での動作を確認していた。エクストリームも未発表ながら,バックボーン向けLANスイッチ「Black Diamond」に10GBASE-LRのモジュールを搭載してデモを実施した。

 標準仕様IEEE802.1aeの標準化は早くて年末と見られているが,すでに内容は固まっている段階。シスコなどが製品を出荷済みだ。標準仕様がほぼ確定して10ギガビット・イーサネットの製品が出そろいつつあるという状況で,今回は各ベンダーごとに10ギガビット・イーサネットが製品レベルに到達していることをアピールした。今後は,異なるベンダー製品間の相互接続性の検証に移っていく。10GEAブースの説明員によれば,実際の相互接続テストは,製品が出そろう来年以降になる見通しである。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)