米アバイア・コミュニケーションズは米国時間の9月10日,2.4GHz帯と5GHz帯に対応した無線LANのアクセス・ポイント製品「AP-3」を発表した。10月に全世界を対象に発売する。

 AP-3は,PCカード型の無線LANアダプタを装着することでアクセス・ポイントとして動作する。アダプタのスロットは二つあり,2.4GHz帯の周波数を使うIEEE802.11b規格のアダプタと,5GHz帯の周波数を使うIEEE802.11a規格のアダプタを同時に使える。ただし,IEEE802.11a規格のアダプタが出荷されるのは2002年になる見込み。

 IEEE802.11bの通信速度が1チャネル当たり最大11Mビット/秒であるのに対し,5GHz帯を使うIEEE802.11aは最大54Mビット/秒。周波数が違うので互いに干渉せず,複数台のアクセス・ポイントを使えば同じ場所で最大260Mビット/秒の帯域を利用できる。IEEE802.11bだけ,IEEE802.11aだけでスロットを占有することもできる。

 セキュリティやネットワーク管理機能も強化した。無線LANの暗号通信機能に使う暗号鍵を,定期的かつユーザーごとに自動交換したり,ネットワーク上のRADIUS(remote authentication dial in user service)サーバーを使ってユーザー認証できる「IEEE802.1x」に対応。さらに,ネットワーク管理機能のSNMP(simple network management protocol)を強化した。

 スロットを二つ持ち,5GHz帯無線LANに対応可能なアクセス・ポイント製品は,米エンテラシス・ネットワークスが2001年6月に発表している。5GHz帯無線LANへの期待が高まるとともに,無線LANメーカーも"5GHz帯への名乗り"を急ぎ始めた。