ソフトバンク,ヤフー,BBテクノロジーのソフトバンク・グループ3社は9月4日,9月1日に正式サービスをスタートさせたADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB」のユーザー数を発表した。予約数は9月3日に100万人を突破したが,実際にサービスを利用しているユーザー数は,4万人にとどまっていることが判明した。

 3社の発表によると,9月3日時点で契約を伴わないYahoo! BBへの予約者数は101万2004人。うち契約を伴う本申し込み者数が49万6855。Yahoo! BBによるNTT局舎内工事が終了し,NTT地域会社の「ジャンパ工事」が終了していないユーザー数が15万5744。ADSLモデムをユーザー宅に発送し,サービスの利用が可能になっているユーザー数が4万699という。

 開通したNTTの局舎数は,9月3日時点で東京23区の88局など1都1府7県で合計223局。これを9月末までに600局に増やし,年末までには1300局に増やす計画である。1300局に達した時点で,全国の世帯カバー率が94%になるとしている。ユーザー獲得目標の年内100万人という数字は従来通り。

 開通ユーザーのうち2500人に実施した速度テストの結果も明らかにした。Yahoo! BBの最大速度は8Mビット/秒だが,結果は500kビット/秒以下から8Mビット/秒を超えるユーザーまで,かなりのばらつきを見せた。最も多いのは3M~4Mビット/秒で,3割強のユーザーがここに入る。2500人の平均速度は約3Mビット/秒。孫正義ソフトバンク社長兼BBテクノロジー社長はこの結果を示して,「Yahoo! BBは低料金の面ばかりが注目されているが,品質においても圧倒的な性能を誇る」と自信を見せた。

 ただし,約5%のユーザーは速度が500kビット/秒以下にとどまっている実態も明らかになった。これらのユーザーに対しては,現在標準で配布している台湾のアンビット・マイクロシステムズ製のADSLモデムではなく,米パラダイン社製のADSLモデム「ReachDSL」を使って救済すると発表した。孫社長は,「ReachDSLを使うことで,現状,100k,200kビット/秒しか出ないユーザーでも,800kビット/秒前後でサービスできる」としている。

 ReachDSLは,パラダインの独自技術を使い,回線距離の長い地域や品質が劣る回線でも一定の速度を確保できるという特徴を持つ。すでに長野県協同電算(JANIS)が,同モデムを使ったADSLサービスを提供している。