総務省総合通信基盤局は8月9日,国内のxDSL(digital subscriber line)回線数の速報値を発表した。それによると,7月末時点でNTT東西地域会社の銅線を利用したxDSLサービスの開通数は40万760回線。6月末時点から10万9427回線増加した。ただし,5月末から6月末までの増加数は11万2596回線。6月の増加分は,2001年になって初めて先月の増加分をわずかだが下回ったことになる。

 回線数を地域別に見ると,東日本エリアが25万2127回線,西日本エリアが14万8633回線。この1カ月間の増加分では東日本が1.6倍も多く,ブロードバンドの“東西格差”が広がりつつある。

 増加数が減った原因としては,まず5月29日に報道された東京めたりっく通信の経営危機の影響が考えられる。また,6月19日にソフトバンクによるヤフーBBの発表があり,多くの人がヤフーBBに申し込んだものの,その大半が未開通であることも影響しているようだ。ヤフーBBへの申し込みは数十万に上っている。このため,一見伸びが鈍化しているように見えるが,申し込んだが開通していない人も含めた実質的なxDSLユーザーは100万を超えている可能性がある。
(野沢 哲生=日経コミュニケーション)