放送用機材の販売や番組製作を手がけるハイウエスト・ブレインネットは,ADSL(asymmetric digital subscriber line)などのブロードバンド回線に接続するルーターを8月28日に発売し,通信市場へ参入することを明らかにした。

 同社は,LAN側のポート数の違いや無線LAN機能の有無により,3種類の製品を用意する。「PBR001」はLAN側が10BASE-T/100BASE-TXを自動認識する4ポートのLANスイッチを,「PBR002」は同7ポートのLANスイッチを内蔵する。「PBRW001」は4ポートのスイッチに加え,最大11Mビット/秒の伝送が可能なIEEE802.11b方式の無線LANにも対応。WAN側はいずれも10BASE-Tを1ポート備える。このほかシリアル・ポートを装備するので,ISDNターミナル・アダプタやアナログ・モデムをつないで利用することも可能である。

 最大の特徴は価格。PBR001が1万4800円,PBR002が2万2800円,PBRW001が3万1800円と,いずれも「同じ機能を備えた製品の中で最安値の水準に設定した」(ハイウエスト・ブレインネットの上住哲也パーソル事業部長)という。「新規参入である以上,他社より高い価格で発売しても意味がない」(上住事業部長)からだ。

 各製品ともプリンタ・サーバー機能,NTT地域会社の「フレッツ・ADSL」などを利用する際に必要となるPPP over Ethernetクライアント機能などは共通して搭載する。スループットはベンダー公称値で約6Mビット/秒。ADSLやCATVインターネットには十分だが,FTTH(fiber to the home)サービスでの利用には力不足といえる。

 ハイウエスト・ブレインネットは,アクトンテクノロジィの出身者が中心となって通信機器事業に参入する。秋以降も,FTTHサービスにも対応できる高スループットのブロードバンド・ルーターや,FTTHサービス向けのメディア・コンバータの発売を予定している。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)