日本ルーセント・テクノロジーは7月18日,ユーザー企業や通信事業者向けのネットワーク製品を8月に拡充すると発表した。新たに投入するのは,WAN側のポートにイーサネット・インタフェースを備えるブロードバンド・ルーター「Access Point300」(以下,AP300),ボックス型ファイアウォールの「VPN Firewall Brick」(以下,Brick)シリーズなど5製品。

 AP300は,企業の小規模拠点向けのブロードバンド・ルーター。最大で約50Mビット/秒のスループットを実現し,FTTH(fiber to the home)などの高速サービスにも対応できるという。WAN側にイーサネット・ポートを装備するほか,ISDNなどの既存のWANインタフェースを備えるモデルを用意する。ファイアウォール機能や帯域管理装置並みの帯域制御機能も装備。さらにIPsec(IP security protocol)によるパケットの暗号化にも対応し,エクストラネットの構築などに利用できる。ただしAP300で注意したいのは,NTT地域会社の「フレッツ・ADSL」などに利用されているPPP over Ethernetに未対応である点。9月に対応ソフトを用意するが,バージョンアップは有償になる見込みである。

 ファイアウォールのBrickシリーズは拠点の規模に合わせて3種類用意する。最大の特徴はブリッジとして稼働する点。ブリッジであるため導入時にネットワーク・トポロジの変更が必要なく,手間が少なくて済む。また,DoS(denial of service)攻撃などに使われるpingコマンドを外部ネットワークから送られても受け付けないので,Brickシリーズ自身がアタックの対象になりにくい。AP300と同様に,IPsecによる暗号化にも対応する。

 このほかルーセントは,各拠点に導入したAccess Pointシリーズを一括管理するソフトウエア「Access Point QVPN Builder」,Brickシリーズなどのセキュリティ製品群の管理ツール「LSMS」,Windowsパソコン用のIPsecクライアント・ソフト「Lucent IPSec Client Software V3.3」も同時に発表した。いずれの製品も販売価格はオープンだが,販売代理店のアイティフォーの価格ではAP300が84万5000円から,またBrickシリーズは32万円から。AP300とBlickシリーズは8月13日,そのほかの製品は8月1日に出荷を始める。