NTT東西地域会社が無線による高速インターネット事業に本格参入する。そのために必要な加入者系無線アクセス・システム(FWA)の周波数の予備免許を,7月下旬に取得する。両社はサービスの詳細を明らかにしていないが,免許の取得後6カ月以内にサービスの概要を公示する必要があるため,早ければ年内にも発表する見通し。

 総務省は5月14日に,FWAに割り当てる周波数帯域の枠を広げ,免許申請の追加受け付けを開始していた。新たに割り当てるのは,26GHz帯の6ブロック。総務省は従来,地域通信の競争を促進するためにNTT地域会社に周波数の割り当てを認めていなかった。しかし今回,2カ月後に空きブロックがある場合という条件付きで,NTT東西の申請を許可する方針を明らかにしていた。

 FWA用の周波数帯ブロックは,特に関東地域で通信事業者の新規参入希望が多く,NTT東日本が免許を申請できるかが焦点になっていた。追加受け付けの2カ月後にあたる7月14日時点で,2ブロック分の周波数帯が空いていたため,総務省がNTT東日本の免許申請を許可することが,ほぼ確実となった。

 NTT東西は,8月1日に本格的に開始する「Bフレッツ」などの光ファイバ事業を補完するサービスとして,FWAを位置付ける。具体的には,光ファイバを電柱まで敷設し,FWAをユーザー宅までのアクセス回線に利用する。主に光ファイバを直接敷設しにくいマンションや地方部を中心に,最大10Mビット/秒のP-MP(ポイント・ツー・マルチポイント)方式で無線インターネット接続サービスを展開する。