NTT東西地域会社は6月28日,インターネット接続事業者(プロバイダ)につながる定額のアクセス回線サービス「フレッツ」シリーズを値下げすると発表した。対象は,一般家庭まで最大10Mもしくは最大100Mビット/秒の光ファイバを引き込むFTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ」と,最大1.5Mビット/秒のADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「フレッツ・ADSL」,最大64kビット/秒の定額ISDNサービス「フレッツ・ISDN」の3種類。いずれもプロバイダに支払う接続料が別途必要となる。

 FTTHのBフレッツは2000年12月から試験的に提供していたが,8月1日に本格サービスに移行するのを機に,料金を引き下げる。具体的には,(1)主に戸建て住宅を提供対象とする最大10Mビット/秒の「ファミリータイプ」(試験中の名称は「基本メニュー」)を,月額1万3000円から月額6100円に値下げ,(2)主に小規模事業所を対象とした「ベーシックタイプ」(試験中は「高スループットメニュー」)は,速度を最大10Mから最大100Mビット/秒に引き上げ,料金を月額3万2000円から月額1万100円に値下げ,(3)マンションを対象とした「マンションタイプ」(試験中は「集合住宅向けメニュー」)は,速度を最大10Mから最大100Mビット/秒に引き上げ,月額3800円の料金を据え置いた。

 プロバイダの接続料を足し合わせると,(1)ファミリータイプは合計で月額8000~9000円程度,(2)ベーシックタイプは月額1万4000~1万5000円程度,(3)マンションタイプは月額5500~6000円程度となる模様だ。当初は東京と大阪の一部地域で提供し,順次エリアを拡大する。

 一方,フレッツ・ADSLは月額4050円を月額3800円に,フレッツ・ISDNは月額3600円を月額3300円に引き下げる。実施日は7月16日。プロバイダの接続料を合計すると,フレッツ・ADSLは月額5500~6000円程度,フレッツ・ISDNは3800~5300円程度となる。

 国内のブロードバンド・サービスでは,ソフトバンクとヤフーが「ヤフーBB」の名称でADSLサービスを始めると発表。プロバイダの接続料込みで月額2467円という低料金による市場参入が話題となっている。だがNTTは「ヤフーBBには対抗はしない。様子を注視していきたい」と,当面は静観する考えを示した。