総務省は総合通信基盤局長の私的懇談会として,VoIP(voice over IP)技術を活用した通話サービスであるIP電話サービスの研究会「IPネットワーク技術に関する研究会」を設置,6月26日に第1回会合を開いた。IP電話を提供する際の技術的な課題を検討するのが目的。

 研究会での主な検討課題は二つある。一つは,IP電話サービスの音声品質基準の設定。パケット遅延の水準や,通信事業者のIP網の信頼性を評価する方法を検討する。もう一つは,IP網に接続したIP電話機に付与する電話番号体系の策定。併せて,電話番号とIPアドレスを対応付ける方法や,対応付けたアドレスの管理方法についても検討する。

 参加メンバーはNTT持ち株会社の大竹伸一第二部門長,IP電話事業者であるフュージョン・コミュニケーションズの角田忠久社長など16人で構成。第1回会合ではNTTの大竹部門長がIP電話の音声品質の標準化動向を,またKDDIの技術企画部ノードシステム計画グループリーダーの舟田和司次長が電話番号体系の標準化動向を紹介した。ドリーム・トレイン・インターネットの鈴木寿明技術本部長はインターネット接続事業者(プロバイダ)の立場から,IP電話の市場動向を説明した。

 今後は2カ月に1回のペースで研究会を開催するほか,検討課題ごとにワーキング・グループを設置。より詳細な検討にあたる。検討結果は,2001年12月までにまとめる予定。